私たちが、生協大橋店に訪れたのはワークショップ開始1時間前の12時。
生協大橋店は、向かいに仮設住宅があることから
うどん、スイカ、ヨーヨー釣りなどが振る舞われており
店舗前は、美味しそうにスイカをほおばる人
楽しそうにヨーヨーを釣る子供たちで、賑わっていました。
ワークショップは
生協大橋店の二階にある調理実習室をおかりしての開催。
目立たないし、分かりにくい場所だから
人が集まるのかな?と心配でしたが
そんな心配は無用だと、すぐにわかりました。
続々と二階に上がって来てくださるお年寄りや親子連れで
開始5分後には、席が足りなくなってテーブルを追加しました。
一同が同じ時間に集まる形ではなかったので
横断幕アートはせずに、J-WAVEフリマの時と同じ方式で
手描きやシルクスクリーンを使って、Tシャツに絵を描きます。
みなさん、輝くような笑顔でしょ?
ある年配の女性はこう言いました。
「弟にあげるTシャツを描くの」
また、ある女性はこう言いました。
「震災後、こんなに笑ったのはじめてよ」と。
被災地支援だとか、心のケアだとか「いかにも」な言葉は沢山ありますが、
皆さんが、楽しそうに、嬉しそうに描く作品を見せて頂きながら
勇気づけられていたのは、私たちの方なのかもしれません。
23日の夜に東京を出発し、車中泊で仮眠2時間程度のスタッフでしたが
13:00~17:00が、あっという間に感じられました。
「良い経験させてもらいました」
「楽しかったです」
「良い思い出になりました」
「次は、いつあるの?」
「今度はもっと早く教えてね」
そういって頂けるワークショップが出来たことを、心から嬉しく思います。
ワークショップの実現にご尽力くださった
「ほっとスペース石巻」のみなさん、大変ありがとうございました!
また、石巻に行きたいと思います。
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片付けをして、17時に生協を後にし
山形から4時間かけて合流してくれたスタッフCさんとはここでお別れなので「お茶でもしましょう」と喫茶店を探しました。
最初目指していたお店になぜか入りそびれ
もう一度戻ろうと右折した時に発見した喫茶店に飛び込みました。
疲れも手伝ってか、導かれるように入った喫茶店。
座席に座るなり、となりに犬が飛び乗って来た。
ここは喫茶店......たぶん。
口の悪いママ。メニューは無い。ストローも無い。
アイスティーは、2日かかるんだそうだw(←嘘に決まっているが)
私たちが外から石巻にやって来た事を知り、
口では「お人好しだね、ばかじゃないの」的な事を言いつつも
ぶっきらぼうな口調で、「泊まるとこあんの?」と気にかけてくれたり、
梅干しや飴玉を沢山出してくれたり、何度もテーブルにやってきては
震災直後の話をしてくれた。
私たちが座っているテーブルの高さまで、津波が来たんだそうだ。
「甘えてちゃダメだ。」
「世話になった分は、返さなければならない。」
努力して、努力して、自分の足で生きて行こうとする気丈さが、
言葉の端々から感じ取れた。
気仙沼の夜は怖いので、早めにお店を出ようとしたら
「もう帰るの?」と、ぶっきらぼうなママが少し寂しそうに言った。
最後はコーヒー代も取ろうとせず「一人200円」だと言い張って聞かない。
これじゃ梅干し代にもならないよと言ったが、
震災後にお世話になった人たちへの恩を、私たちに返そうとしているようにも思えたので
最後は、お言葉に甘えさせて頂くことにした。
「レジは、津波に流されたからね」と、
飴のカンに入った釣り銭から、おつりを払ってくれた。
ママは、玄関の外まで出て、私たちを見送ってくれて
私の両手に一杯の飴を持たせてくれて
「うち、休み無いから。
朝、8時半から開けているから。
留守でも、鍵開けておくから、勝手に入ってて。」
顔も、口調も、どことなく泉ピン子に似ていた。
口が悪くて、素直じゃなくて、ちょっとエラそうな「マダムピン子」(←勝手に命名した)
映画のワンシーンのような、狐につままれたような、不思議な感覚だった。
石巻に行ったら、必ず立ち寄りたいと思っている。
マダムピン子に会いたくて。